おいしいお茶の入れ方
お茶は同じ茶葉を使っても、入れ方によって味は変わってきます。
●玉露の入れ方(二人分)
  1. 沸騰させたお湯を急須と茶碗に入れ、器を温めます。温めたらそのお湯は捨てて、
    新しくお湯を湯冷ましに注ぎ冷やします。
  2. 湯冷ましのお湯の温度は、両手で包み持って、心地よさを感じる程度(人肌程度)
    になるまで待ちます。ちょっとぬるいかな?と思うくらいで丁度いい温度です。
  3. 茶葉は小さ目の急須でティースプーン二杯分。を入れてお湯を注ぎます。お湯の量
    は茶葉がひたるぐらいからやや多いくらいが適量です。
  4. お湯の温度が低いため抽出に時間がかかりますが、ゆっくり待ちましょう。そろそ
    ろいいかな?と思ったら茶碗に少し注いで、色を見てみます。
  5. 色が出るようになったら茶碗に順々に注ぎいれます。順々にいれることによってど
    の茶碗のお茶も、濃度が均一になります。急須のお茶は最後の一滴まで注ぎ入れましょう。
●煎茶の入れ方(二杯分)
  1. 沸騰させたお湯を急須に入れ急須を温めた後、そのお湯を茶碗に注ぎ、茶碗も温め
    ておきます。茶碗が温まったらそのお湯は捨ててしまいます。
  2. 茶葉をティースプーン二杯入れたら熱湯を注ぎ入れ、しばらくの間蒸らします。
  3. 茶碗に少し注ぎいれて色を確かめてから、交互の茶碗に注ぎ入れましょう。この時
    も急須にはお湯を残さないようにし、最後の一滴まで注ぎ入れましょう。
●抹茶の入れ方(一杯分)
  1. 茶碗にお湯を入れて温めておきます。そのお湯を茶筅で軽くかき混ぜ、茶筅も温め
    す。温めたらお湯を捨て、茶碗の内側を拭います。
  2. 抹茶は茶杓で二杯分。そこに100ccの熱いお湯を加えます。
  3. 抹茶がよくとけるように茶筅を上下(縦)に小刻みに動かして点てます。点てる時
    は空いている方の手でしっかりと茶碗を押さえておきましょう。泡は細かい程、口
    当たりが滑らかです。
  4. ある程度泡が立ったら目の荒い泡をつぶし、表面を滑らかにします。最後に「の」の
    字を描くようにひと混ぜし、真ん中から茶筅を立てて抜きます。こうすると抹茶の
    中央が盛り上がってきれいです。
●芽茶・番茶の入れ方(二杯分)
  1. お湯で急須と茶碗を温め、いったんお湯を捨てます。急須に入れる茶葉はティース
    プーン山盛り三杯分です。
  2. 急須に熱湯を注ぎます。
  3. 熱湯を注ぐので抽出時間は短くて大丈夫です。茶碗に少し注いで色を見てから交互
    に注ぎいれましょう。最後の一滴まで注ぐことを忘れずに。
●茎茶・焙じ茶・玄米茶の入れ方(一杯分)
  1. お湯で急須と茶碗を温めておき、そのお湯は捨てます。茶葉はティースプーン二杯
    分です。
  2. 急須に熱湯を入れたら手早く茶碗に注ぎましょう。香ばしさが命のお茶は手早くい
    れることが大切です。

お茶の効能

●お茶はガンに効くの?
茶の渋味であるタンニン類(カテキン)はポリフェノールと呼ばれるカテキン
類4種が90%をしめ、そのうち最も量の多いエピガロカテキンガレートは、
発ガン抑制作用が強いことが判明。その後、茶のタンニンが胃ガンをはじめと
する各種ガンの抗突然変異、抗発ガンプロモーションなどの抗ガン作用のある
こと明らかになってきました。

●お茶は老化防止になるの?
茶のタンニン(カテキン)は老化の原因となる過酸化脂質の生育を抑える抗
酸化作用が、ビタミンEより20倍も強いことが判明、茶が老化防止と成人
病の予防に効果のあることが判明しました。

●お茶でやせられるの?
茶のタンニンには脂肪の吸収を抑制する働きがあり、茶のサポニンにも同様
の働きがあるといわれています。タンニンとサポニンの共同作用によって肥
満の予防が期待できると推測されます。また茶のカフェインは利尿作用もあ
り、タンニンには腸内調整作用もあって便通効果があります。

●妊娠中はお茶を飲んでも大丈夫?
お茶には、フッ素・亜鉛・銅・カリウム・ナトリウム・カルシウム・マンガ
ン・モリブデン・セレンなどのミネラル分が豊富に含まれています。ミネラ
ルは鉱物質の微量栄養素で、人体に必要な微量元素です。亜鉛は妊婦の栄養
上重要な微粒元素といわれています。ですから、妊娠中の方は抜群の亜鉛供
給源となる緑茶を適度に飲んだほうがいいでしょう。

●お茶を飲むと色が黒くなるの?
かつてお茶を飲みすぎると色が黒くなるといわれた時がありましたが、全く
違った説で、むしろその逆だと思います。それはお茶には多量のビタミンC
が含まれているからです。ビタミンCは色を黒くするメラニン色素生成の抑
制効果があり、肌の弾力を保ち、水分の減少を防ぐなど、美容によい効果が
あるといわれているからです。1日に煎茶6〜7杯も飲めば、成人の1日に
必要なビタミンCが供給されます。

●お茶は血圧を下げるの?
茶のタンニンはには抗高血圧作用があり、私たちが日常飲んでいるお茶の他
に、血圧降下に良い「ギャバロン茶」があります。ギャバ(ガンマアミノ酪酸)
は血圧を下げる有効な成分です。

●空腹時に濃い目のお茶を飲んじゃダメ?
濃く入れたお茶の浸出液にはタンニンとカフェインが多量に浸出されるから
です。適量のタンニン、カフェインは胃の細胞(壁細胞や主細胞など)を刺
激して胃液の分泌を促し、食物の消化を助けますが、胃の粘膜を荒し消化液
の分泌を妨げ、消化不良を起こして、胃腸の弱い人は、吐き気や下痢を起こ
す場合があります。

●お茶で薬を飲んではいけないの?
多くの頭痛薬や風邪薬などにはカフェインが処方されています。ところが、
茶の旨味成分であるテアニンは、カフェインの作用を減弱する働きがあり、
薬中に含まれるカフェインの効果を減少させるからです。第二の理由は、鉄
分を含む胃腸薬や貧血症の薬やある種の抗生物質は、茶のタンニンが金属塩
と結合したり、茶のミネラルと結合したりして、薬の小腸から血管内への吸
収を妨げる結果、薬の効果をなくします。

●お茶のカフェインの効用は?
カフェインは中枢神経を興奮させ、眠気をさまし、知的能力を向上させ、運動
能力をたかめますし、冠動脈拡張による強心作用、利尿作用などがあり、心身
の疲労を回復しストレスを解消するといわれています。コーヒーと違って茶に
含まれるアミノ酸のうち一番量の多いテアニン(旨味成分)がカフェインの興
奮作用を抑制し、覚醒作用をおだやかにします。
●お茶は虫歯を防ぐって本当?
お茶の成分には、虫歯を防ぐタンニンとフッ素が含まれています。茶のタンニ
ンには抗菌作用があり、虫歯の原因となる歯周菌を殺し、虫歯菌の繁殖を防ぐ
働きがあります。茶のポリフェノールが虫歯の主な原因となる口腔内細菌の増
殖を著しく抑制することを発表しています。フッ素は歯のエナメル質を強化し
虫歯を予防する効果があります。
●お茶に脱臭作用はあるの?
お茶のタンニンは消臭作用をもち、昔から生活の中で体験的に利用されてきま
ましたが、現在では茶のタンニン(カテキン)を抽出して脱臭剤や消臭製品が
作られています。
●宵越しのお茶は体に毒なの?
お茶には蛋白質が含まれています。蛋白質は脂溶性のためお茶の浸出液には抽
出されませんので茶葉に残ります。茶のタンニンは抗菌作用があり蛋白質を保
護しています。水溶性のタンニンは数煎飲んだ茶葉には、保護者のなくなった
蛋白質が腐敗を起こします。腐敗した蛋白質は容易にお湯の中へ溶け出るため
食中毒を起こしやすくなります。
●お寿司屋で煎茶がよくでるのはなぜ?
お寿司屋で煎茶を使用するのは、お寿司を食べると口中に魚介類の生臭さが残
りますが、緑茶の中でも煎茶には消臭効果のあるタンニンが多く含まれ、煎茶
を飲むことにより生臭さを消し、口をスッキリとさせてくれるからです。また
魚介類の腐敗と食中毒の予防を果たします。
●O157に緑茶が効くって本当?
茶に含まれる渋みの成分「カテキン」が腸炎ビフリオや黄色ブドウ球菌などを殺菌する作用を持つことが研究されてきました。今年七月には、
一万個のO157を緑茶一CCの中に
入れて実験をしたところ、五時間後には菌が全滅する結果が得られたといいま
す。「食中か食後二、三時間以内に茶を飲めば、胃の中でカテキンと接触した
菌が死滅することが十分期待できる」といわれています。
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