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バラ

バラ科   バラ属      原産は北半球全域



   
バラを鑑賞したことはずいぶん古く、「万葉集」に歌われている。
明治初期になり欧米から園芸種が入り、大正の初めには一般の趣味園芸が盛んになった。
ガラス温室1室を全部バラだけ使って促成が行われたのは、新宿御苑で明治40年であったといわれている。
民間では、大正6年に大阪府下で又、東京玉川温室村でも温室バラ栽培が始まり
大正10年ごろから営利栽培も多くなってきた。
当時はバラそのものが特権階級のものであって、昭和30年代にビニールの普及、新品種の導入が活発化し
日本バラ切花協会が設立されるなど今日の基礎づくりができた。

栽培

バラの栽培温度は昼温25℃内外、夜温は16〜18℃が適温である。
高温になると茎長が短小となり、花弁数の減少、花形のわい化、花色の低下など品質に影響する。
16℃より低い場合は、多くの品種でブラインドの発生、収量の減少、花色の発現不良などをおこす。
バラは5℃ぐらいの低温に遭うと生育は停止し、0℃以下になると落葉して休眠状態はいる。
地温は18℃で地上部の生育が良好のようである。

バラは好光性であるから、生育開花には充分な日照を必要とする。
花芽形成には一定の日長条件や低温を必要としないで、萌芽した枝が3cmごろに花芽を形成する。
このとき16℃前後で栽培すると
ピンチ後16〜18日目には、がく弁や花弁ができる。
他の品種では18℃で3週間を要するものもある。
分化後は12℃にしてもよい。
分化した花芽が環境条件によって発達できない現象をブラインドという。
この主は発生原因は低照度、低地温、過度な摘葉または落葉などである。

奇形花のひとつにブルヘッドがある。
花弁が短く、花弁数が多く、雄ずいが不完全でその着生部分が盛り上がってくる。
これは花らいの発育初期に低温に遭遇すると発生しやすい。

ブルーイングという現象は赤色品種の赤い色が青みがかり暗色化する現象を言う
これは花弁細胞液のタンニン不足、アントシアニンに対してアントキサンチンの増加、カリ濃度の増加等による。
栽培土壌は排水がよく、団粒組織の発達した用土が適する。
土壌PHは5.5〜6.0ぐらいがよい。


バラの定植は
床幅80〜90cmに30×30cmの2条植え、通路60cmを基準とする。
水田で作る場合は必ず揚げ床とし湿害回避対策を講ずる。
定植した苗は遂次ベーサルシュートを発生するので株作りのため、蕾が小豆大になり次第
上から数えて1〜2枚目の5枚葉で摘心する。
すると側枝が発生してくるので下から数えて5枚目で摘心する。
そこから出た分枝は通常、上から数えて1〜2枚目の5枚葉でソフトピンチする。

潅水点はPF1.8程度を目安に行うが、土質や生育状況を勘案する。
定植初年目の夏季剪定は、樹高50〜60cmの高さとする。

バラの病害虫

うどんこ病

 主に茎葉に発生するが,多発すると蕾や花弁にも発生が見られる。病名が示すようにうどん粉状の
白い粉が発現し,
時期は,3月中旬頃から発生し始め,高温時に一時減少するが,年間を通して発生が見られる。
発生の品種間差はかなりはっきりしている。夜間の低温多湿状態あるいは高温低湿状態でよく発生する
ので,夜間の暖房と換気を徹底して行なう。防除は,防除基準に基づく農薬散布を行なう。
ポリベリン水和剤 トリフミン水和剤 ポリオキシンAL乳剤

べと病

 主に葉に発生し,表面に不規則な水浸状の汚紫色ないし淡黄色病斑を生じ,落葉する。
多湿時には病斑部裏面に灰白色のかびをまばらに生じる。やや低温多湿状態で発生が見られる。
秋期の茎葉上に露が長くとどまる時に発生が多く,無加温施設での発生が多い。
また,秋口および春先に天窓を閉じ,暖房機が停止している状態でも発生が見られる。
防除は,初期防除を重点的に行なう。
ジマンダイセン水和剤 エムダイファー水和剤

灰色かび病

 主に花弁に発生し,初めは汚褐色の小粒点が見られる。葉では周辺から灰褐色のかびが生じ枯れて
くる。激しくなると,花冠全体が腐敗し表面に茶褐色ないし灰白色のかびを生じる。
ハウスでよく発生が見られる。施設内の湿度を下げ,換気を十分に行なう。防除方法は,
開花し終わった花は早く切り取る等,環境条件を良くするとともに,薬剤による予防も行なう。
マンネブダイセンM水和剤 ハーモメイト水溶剤

根頭がんしゅ病

 根や地際の茎部分に淡褐色のちに暗褐色のコブができる。コブの表面は粗雑で,
肥大とともにひび割れ状となる。コブの肥大が進むにつれて生育が衰え,花が小さくなり,
落葉するとともに樹全体の元気が失われていく。本病は土壌伝染性病害で,苗で持ち込まれたり
連作地で発生しやすい。防除方法は,防除基準に基づく農薬の散布や蒸気消毒が有効である。
しかし,苗の根を傷つけると,防除対策を行っても発生は防ぎきれない。環境条件としては,
土壌湿度が高いと発生が多いので,排水に努める。
ガスタード微粒剤 バスアミド微粒剤

ハダニ類

発生条件は,卵から成虫になるまで,最も早い場合には7日程度と短かく,発生回数も極めて多くなる。
施設内は繁殖に適し常時防除をする必要がある。ハダニ類が葉に寄生すると着分を吸収するので,
葉はカスリ状の小白斑を生じて葉色は薄くなり,ひどくなるとクモの巣をはったようになったり,
黄化や落葉が見られる。防除効果をあげるには,早期防除が第一である。手遅れになると卵・幼虫・
成虫など発育ステージの異なるものが混在するため一回だけの薬剤散布では
十分な防除は期待できない。
発生が多い時期(夏から秋)は4から5日に一回程度の間隔で薬剤散布する。
使用薬剤は,防除基準に基づくダニ剤を使用する。
バロックフロアブル ダニトロンフロアブル ダニカット乳剤20

アブラムシ類

 若い芽や枝の先端,蕾,花梗に群がり寄生し,汁液を吸う。このため,若い葉は
十分に展葉できず萎縮する。また,アブラムシの排出物によってすす病が発生し,葉や花を汚す。
防除は,防除基準に基づく殺虫剤を散布する。
モスピラン水溶剤 ダントツ水溶剤 マブリック水和剤20

スリップス

 体長が1から3mmときわめて小さく,花弁の中にもぐりこんで加害するため,発見が遅れることが多い
。被害を受けた花は花弁の先端が汚れたように変色したり,ボール状になって商品価値を失なう。
このような症状を呈している花(蕾を含む)をとり花弁を開くと,幼虫が目で確認できる。
 スリップスの寄生は,多少品種によって差があるようで,特にピンク系,白系の品種については
早期発見に努める。また,フラワリングアウトした花蕾は放置せず,室外に出し焼去し,
薬剤の予防散布に努める。
カスケード乳剤 ダントツ水溶剤

コガネムシ幼虫

 土耕においてはバーク堆肥等の投入があってコガネムシの幼虫による被害がみられる。また,
ロックウール栽培においてもロックウールのベットがボロボロになりポットが倒れ根が
抜けてしまうといった被害が報告されている。
(東海地区)土耕の場合は,日中はしおれ症状を示し,朝夕は元のままといった状態で,
これを繰り返すうちに,葉は黄化し生育が止まり,株は簡単に抜ける。
土の中,又はロックウール耕の場合はマットの中をよくみると幼虫がみつかるので防除する。


センチュウ類

 通常の栽培,施肥管理を行なってもなお生育不良の場合,あるいは徐々に株全体が弱ってくる場合は
,一応センチュウの被害を考えてみる必要がある。バラの場合はネコブセンチュウと
ネグサレセンチュウがよくみられる。防除方法は土壌消毒と苗木(台木)及びベッドなど
すべての場所を清潔にすることである。また,土壌消毒を行ない根頭がんしゅ病と同時防除する。


                   

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